【John Medeski】
ジョン・メデスキ(1965年6月28日生まれ)は、ジャンルを超えた実験的なアプローチで知られるアメリカのキーボーディスト、作曲家。
スタインウェイのピアノ、ハモンドB3オルガン、メロトロン、クラヴィネットなど多彩な鍵盤楽器を自在に操り、即興演奏を軸にジャズの伝統とアヴァンギャルドな要素を融合させるプレイスタイルが特徴である。シンプルなフォークミュージックから実験的な現代音楽まで幅広い影響を受け、ライブでは予測不可能な展開と深い音楽性で観客を魅了し続けている。
1990年代のニューヨーク・アヴァンギャルドジャズシーンの重要人物として認識され、これまでに300以上の作品に参加。1991年に結成されたジャズトリオ、Medeski Martin & Wood(MMW)の中心メンバーとして活動し、アコースティックジャズからエレクトロニカまで多様なサウンドを探求し、新たなジャズのスタイルを切り拓いた先駆者としても知られている。
また、ジョン・スコフィールドとの共演作『A Go Go』をはじめ、数々の重要作品を発表し、ジャズとジャムバンドの架け橋となる存在としてシーンを牽引してきた。長いキャリアを通じてジョン・ゾーンのプロジェクトに多数参加し、伝統的な教会音楽へ挑んだThe Wordやハドソン(Jack DeJohnette, John Scofield, Larry Grenadierとの共演)など、幅広いコラボレーションを展開。
2013年にはソロピアノアルバム『A Different Time』をリリースし、近年はテレビシリーズ『The Curse』の音楽も手がけるなど、その活動は多岐にわたる。
演奏スタイルは即興を重視しながらも緻密な構成力を兼ね備え、アコースティックとエレクトリックの両面で卓越した表現力を発揮する。
伝統的なジャズの要素に加え、アヴァンギャルドやロック、ブルース、ファンクなどさまざまなジャンルを取り入れ、独自の音楽世界を築いている。
特にライブパフォーマンスでは、その場の空気や共演者との対話を大切にしながら、常に新たなサウンドを生み出すアプローチが高く評価されている。即興演奏の革新性と技術的な卓越性により、現代ジャズシーンを代表するミュージシャンの一人として確固たる地位を築き、その影響力は今なお広がり続けている。
【Billy Martin】
ビリー・マーティン(1963年10月30日、ニューヨーク生まれ)は、アメリカのドラマー、パーカッショニスト。
即興演奏と実験的なアプローチを重視し、ジャズ、ファンク、ヒップホップ、ブラジル音楽など多様なリズムを融合させる独自のスタイルを確立。
現代的なドラムセットだけでなく、ブラジルやアフリカの伝統的な打楽器も自在に操り、音楽における「サイレンス(静寂)」の重要性を意識した演奏が特徴。
音楽家としてだけでなく、作曲家、映像作家、視覚芸術家としても活動し、創作において常に新しい表現を追求している。
1990年代のニューヨーク・アヴァンギャルドジャズシーンで重要な存在となり、1991年にはジョン・メデスキ、クリス・ウッドと共にジャズ・ファンク・トリオ、Medeski Martin & Wood(MMW)を結成。ジャズからファンク、アヴァンギャルドまでジャンルを超えた実験的な音楽性で知られ、ジョン・スコフィールドとの共演作をはじめとする数々の重要作品を発表してきた。
MMWの活動を通じて、ジャズクラブからジャムバンドフェスティバルまで幅広い観客層を獲得し、即興演奏の可能性を広げた先駆者のひとり。
1980年代にはニューヨークのブラジリアン音楽シーンで活動し、Pé De BoiやBatucadaに参加。その後、ラウンジ・リザーズやジョン・ルーリー・ナショナル・オーケストラといったグループでも演奏し、多様な音楽シーンで経験を積む。
また、自身のレーベル Amulet Records を設立し、実験的なパーカッション作品をリリース。ジョン・ゾーン、イギー・ポップ、ナタリー・マーチャントなど、ジャンルを超えた様々なアーティストとのコラボレーションを展開し、その革新性と即興性の高さが評価されてきた。
教育者としても影響力を持ち、Creative Music Studioのエグゼクティブ・アーティスティック・ディレクターとして活動。
音楽を通じて新しい可能性を探求し続ける姿勢は、多くのミュージシャンやリスナーに刺激を与え続けている。